BACK TO SCHOOL

 

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新学期が始まりました。4月の半ばには履修登録期間も終わりましたので、時間割も正式に確定してから数週間が経ちました。履修登録ってかなり面倒な代物ですが、わたしの場合その煩わしさとワクワクが拮抗します。

そして人の時間割見るのも好き。#whatinmybag #whatinmypouch が好きな学生にはわかってもらえるかもしれないけれど、今学期、かなりいい時間割が組めたので、見て。

 

 

1

 

中国古代文学

 

 

 

2

 

主専(読解)

中国の歴史ー近代の歴史と文化

主専(文学)

 

3

主専(読解)

現代台湾政治

戦争と民主主義の文化史

ヒトラー「東方生存圏」構想とホロコースト

「近代語」アジア情勢と共にみる中国近代文学

4

ゼミ

 

 

GLIP B3

中国語

5

GLIP B1

 

 

言語学概論

 

 

主専は「主専攻語」の略で、わたしの場合これが韓国語の授業です。読解は韓国語で書かれた論文を翻訳する授業で、日本語による授業と韓国語による授業がそれぞれ一つずつあります。文学の授業では韓国の詩や小説を扱い、直訳では意味の伝わらない文を、自分なりに解釈しながら訳していく授業になっています。今は韓国を代表する小説「ソナギ」を読んでいます。このほかにもいろいろ開講されてはいるのですが、3年から自分で選べるようになるので、今学期はこの3つにしました。

 

火水木の3限と水2限は他学部の授業なのですが、興味関心ど真ん中で、毎週講義を楽しみにしています。特に最高なのが、水曜3限の社会学の授業「戦争と民主主義の文化史」。

 

 

近代日本の歴史は、一般的には国民国家の「近代化」の過程として理解され、政治面でも「民主主義」の展開と捉えられるが、対外的には東アジアに植民地と勢力圏を拡大する「戦争」の連続となった。すると、この相反して見える民主主義と戦争の時代を、人々はどのように生き、歩んできたのだろうか。この近代日本の歩みを、そこに生きた民衆の心情の経験に即して考えたい。特に「思想」や「詩歌」などの文化現象から生活者の心情に立ち入る学問方法を学び、単なる事件の羅列ではない歴史と社会のとらえ方を体験する。ー「授業の目標」より

 

近代史に関する一般的な歴史認識に対して、「それ、本当に正しいの?」という疑問を投げかけてくる。先生はとても気品の溢れる方で、選ぶ言葉も文事ある人らしく、講義を受けるだけで語彙が増える。また、偏った思想を振りかざすわけではないので、本当に自分の視野を向こう側から光で照らしてくれるようで、一言一句聞き逃すまいと一貫して集中、ノートを取り続けています。

 

教科書はこれ。

詩歌と戦争―白秋と民衆、総力戦への「道」 (NHKブックス No.1191)

詩歌と戦争―白秋と民衆、総力戦への「道」 (NHKブックス No.1191)

 

 教授自身の著作です。まだじっくりとは読めていませんが、近代日本において民衆の好んだ民謡に着目することで、当時の人々の意識を知ろうとする内容になっています。

 

次に好きな授業が「現代台湾政治」。東アジア地域を専攻している以上、中台関係って絶対に理解しておかなければならないのでは、と思って履修。この問題に関するわたしの知識は高校の世界史で止まっているので、台湾に特化した授業は、その専門性も高くて、ただひたすら目から鱗。あと教授がとても真面目で几帳面な方で、パワーポイントで出してくれる資料が非常に豊富。特に、人の流れや対立について説明する際には必ずそういった内容が図示された地図を移してくれるのでとてもわかりやすいです。

読んでおくべき、と推奨された本がこちら。

台湾―変容し躊躇するアイデンティティ (ちくま新書)

台湾―変容し躊躇するアイデンティティ (ちくま新書)

 

この本の著者は台湾問題において、とても権威ある方だそう。 教授自身も直接の面識があるらしいです。すごい。

amazon で探したときに関連商品に出てきたこちらも合わせて購入しました。どんどん読む。

 

新・台湾の主張 (PHP新書)

新・台湾の主張 (PHP新書)

 

 これら参考文献だけでなく、ドキュメンタリー映画も紹介してくれるので、授業時間外にも積極的に知識を得られます。

 

先週紹介された映画は「セデック・バレ


映画『セデック・バレ』予告編

 

台湾中部の山岳地帯に住む誇り高き狩猟民族・セデック族。その一集落を統べる頭目の息子モーナ・ルダオは村の内外に勇名をとどろかせていた。1895年、日清戦争で清が敗れると、彼らの暮らす山奥にも日本の統治が広がり、平穏な生活は奪われていく。それから35年、頭目となったモーナは依然として日々を耐え抜いていた。そんな中、日本人警察官とセデック族の一人が衝突したことをきっかけに、長らく押さえ込まれてきた住民たちが立ち上がり…。 

 この作品の監督の魏徳盛(ウェイ・ダージョン)は台湾の映画監督で、日本に関する作品をいくつか手がけているようです。授業ではその一部を少し見ただけなので、後日改めて自分で借りてくるつもり。授業でも説明を受けたのですが、この作品は日本と戦う台湾の人々の不屈の精神、勇敢さを描くもので、中国や韓国における反日映画と同一視されがちなのですが、その性質は全く異なります。これは単なる反日映画ではなく、虐げられた少数民族が立ち上がり、戦い抜く物語であり、中国当局はその反日性を買ってすぐに国内での上映を開始しますが、次第にこの映画の普遍的、かつ中国にとって都合の悪いメッセージに対して懐疑的になり、密かに上映を中止したと言います。

 

授業ではただ問題に関連する作品を紹介するだけでなく、その裏側についても詳しい解説があるので、現代の東アジア情勢の複雑さが身に沁みて感じられます。

 

中国語の授業は3年目になりました。教科書はこれ。 

リアルスコープ 現代中国事情

リアルスコープ 現代中国事情

 

 

よくあるテキストです。テキスト自体の難易度はそんなに高くはないのですが、先生が今年から東京外大に赴任した北京語言大学の先生で、話し方が滑らかで早口。意味を取るにはかなり集中しなければならず、リスニングが鍛えられそうです。

 

 GLIP というのは、語学としての英語の科目で、去年たまたま知った先生の授業がとてもよかったので、今学期も続けて履修しました。授業では、「英語で専門書を読む」ことのできるレベルを目標としており、その際に先生の専門が言語学ということから、言語学の論文を読んでいます。

 

教科書はこれ。

Linguistics (Oxford Introduction to Language Study Series)

Linguistics (Oxford Introduction to Language Study Series)

 

 セクションごとに担当が分かれており、大抵1回の授業で3人が発表します。発表の担当者は授業当日までに、担当箇所をまとめたレジュメを作成することが義務づけられており、授業中にそれを用いながら内容の解説をしていく形です。途中途中に先生からの補足が入ったり、難解な箇所は、翻訳の手助けをしていただけるので、かなり難易度の高い文章ですが、やりがいがあります。授業中に何度も、「みなさん、この文章書けますか」と問われるのですが、この文章は英語の論文としてかなり理想的な文章構成だそうで、そういう意識で読むことでモチベーションも上がります。

今履修している授業の中で、特筆すべき、と感じられるもののみ紹介しました。ゼミについてはこれからわたしの専門になってくると思うので、また別の機会に詳しく書こうかなと思います。全く興味のない、必修科目ももちろんありますが、真面目な人、というのは自分の興味・関心の対象外の物事に関しても、やる気の有無に関わらず、努力をすることのできる人だと思っているため、根が不真面目なわたしは這いつくばりながら単位を拾いに行く所存です。

 

 

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